その日は朝からちょっと動いただけで心臓ばくばくいうし、何かおかしいなぁと思ってました。
家の前までタクシーに来てもらって、病院に到着、なんとか血液検査やらすませたものの、外来の窓口にいくまでに2回以上途中のベンチに座って移動する始末。
はい、貧血でした。
血尿で貧血。
診察室に入るなり主治医
「はい、入院して輸血ねー」
ヘモグロビンが5しかなかった。
そりゃ入院にもなる訳だ。
義母やら息子やらに事情の連絡をして、輸血。
しかし、出る方が多いらしくて5単位輸血してもらってもヘモグロビンは減る。
血尿を押さえるのに泌尿器科受診し膀胱洗浄、24時間持続灌流やってみたのだけども出血はとまらず、GWの後半4日の休みを挟んで休み明けて下半身麻酔、電気メスで腫瘍部分を焼いてかさぶたを作って止血という方法をやってみる事に。
されど、微妙な出血は続き、みょうばん水での持続灌流で止血。
入院してからこのときまで婦人科の主治医、泌尿器科の先生、看護師さんたちの顔に「危機」っていう文字がずーっと出ていたのがこの辺りですこし薄れてきた。でもまだまだ皆さんの顔が柔和になってないので、ヤバいんだろうなっておもってました。
だいたい、この出血が止まらないと薬剤師さんも泌尿器の先生も抗がん剤GOだせないっていってたし。
抗がん剤できなかったら死ぬしかないですから。
その手術の翌日婦人科の主治医も泌尿器科の先生も懐疑的だった放射線科の受診を希望して放射線科で動脈塞栓の提案を受けました。
受診は動脈塞栓というよりもう一度放射線がかけられないか、治療というよりも止血のために、ということだったのですけれども、それはむしろ出血を促す場合もあるので塞栓どうだろう?っていうことになったのです。
泌尿器の方からは出血止める為に尿路変更いわれていたりしていたので、それは今の状態で冗談じゃない!っておもってたので、塞栓術やりたいです!と
そしてその次の日に塞栓術を受ける事になりました。主治医決断はや!
主治医もうちょっとプライドとかあったりするのかな?とおもったけども、
「自分の持ってる手は限られてるけど、関係各所と連絡してより良い方法は考えられるから!」っていって速攻で動いてくれるのはすばらしい。一時この病院で手術ってよくなかったのかなぁ?なんて思ったりしたけど、そんな事なかった。
温熱の方の紹介状もさくっと書いてくれたし、今は標準治療だけでやってく時代じゃないから、自分で良いと思ったところはどんどんいくべき!紹介状なんていくらでもかくから!っていってくれたし。
塞栓術は途中おしっこがつまるというトラブルがあったものの(災い転じてというか、ちょっと詰まったおかげで膀胱が張り、造影剤撮影のときに動脈がよく見えたそうで)無事塞栓完了、ぴたっと止血できました。
なんと忙しかった先週。
5/1に入院
5/7に電気メスでの凝固術
5/9に動脈カテーテルでの塞栓術
そして無事一回目の抗がん剤を5/13に投与でき、5/14に退院しました。
やれやれ。
告知からの毎日がジェットコースター!そして、
退院の日に外来ケモ室に顔をだしたのですが、
「正直どうなるだろうと思ってた」
って言われました。だよねー。私もそう思ってた。
でも、退院の日には各先生、看護師さんたちの顔が穏やかになってて安心した。
あー、私は大丈夫って。
入院中各先生が顔をだしてくれるんだけども、みんな私の膀胱に向かって拝んでいくんだよねー。「どうかコノママ落ち着きますように!」
毎日毎日拝まれ、なでられ、お医者様も神頼みするような事あるんだなーって思いました。
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さて、告知の日めっちゃ凹んでました。
だって再発して寛解した人のブログなんかにはであってなくて、むしろ1年程度で死んでしまう人のばっかり読んでたから。
ああ、もう私は終わりなんだな。
そんな風に思ってました。
そこでガツンと「鉄は熱いうちに打てですよ!」とカツをいれてくれたMさん、そしてそのMさんを紹介してくれたmさん。お二人には感謝してもしきれない。
いまもう一度がんばろう!って思えるのはお二人のおかげです。
そして、おかげさまで死ぬ気しない。
治るというイメージしかわいてこない。
これ結構重要かも。
Mさんのおかげで目が覚めたわたし。
じゃぁこれからどうやって治療していく?
標準治療はまだ一応のこっています。TC療法という化学療法です。
しかし、これの奏功率は40%前後です。完全奏功と部分奏功あわせた数字だそうですが悪くはない。しかし、さらに生きていく確率を上げる為にこれを補完するのにはどうすればいいか、ってことで温熱療法を受ける事にしようとおもいます。
温熱療法ってわたしも民間療法に近い治療方法なのかな?と思っていたのですが、なんと健康保険の対象なんです。ってことはエビデンスがあるから保険適用ってことですよね。私まったくしらなかったし、主治医も知らなかった。保険適用って教えてくれたのはこれまたMさん。
温熱療法っていうのは、腫瘍部分の温度を上げてやることで放射線や化学療法の効果を増大させる事ができるそうなのです。およそ1.5倍から2倍程度効果を上げる事ができるそうです。しかも、膀胱は温度があげやすい場所なのだそうでこれもかなり効果が期待できるのではとおもっています。
受ける場所も重要かなってことで、これまた別の知人からの情報で大阪では一番温熱療法での論文を書いている施設に決めました。
もつべきはやはり友達だねぇ。こういう情報をすぐに提供してくれる友達がいてほんとうにありがたい。自分一人じゃ探せない事も多いし。
18日にその施設受診して、免疫療法も含めての今できる最大の治療方法を提案してもらおうと思っています。
免疫療法はこれも怪しい感じがするのですが、なんと厚生省の先進医療になっているのです。ただし、厚生省に認可されている施設だけが「先進医療」として認められているだけでほかの施設でもたくさんやっています。先進医療として認可されている施設での治療であれば保険会社の先進医療特約の給付対象になります。
残念ながら私の通える範囲での先進医療としての免疫療法をやっているところは岡山県の川崎医大くらい。
免疫療法と温熱は同じ施設でやった方が良さそうな感じでもあるので、ここま給付金をあきらめて温熱と同じ施設でうけようかなと。
ちなみに私は止血の為に塞栓術をうけましたが、肝臓がんなどでは治療の為に動脈塞栓をすることがあるそうです。
腫瘍は動脈から栄養を取る為に新生血管をつくるそうなのですが、肝臓の場合はその動脈が限られていて塞栓しやすいそうなんです。そして、栄養補給をたたれたがん細胞は死に、がんが治る事があるそうです。
じゃぁほかの場所はどうかというとなかなかそこまでいく事はむずかしいらしいのですが、縮小が見込める場合もあるそうです。大阪の関空近くには標準治療ができなくなった患者さんのQOLをあげる為に塞栓術を専門にやっている病院があります。
また、なんと大阪医科大学では膀胱ガンの治療に塞栓術をつかっています。
http://www.osaka-med.ac.jp/deps/uro/html/special.html
塞栓をしてそこに抗がん剤を入れるという方法なのですが、これで膀胱摘出しなくてもすむ患者さんが増えているそうです。
私とはちょっと違いますが、膀胱の腫瘍からの大きな出血のおかげで塞栓術をしたことがこれからいい方向に向かうきっかけになったようなそんな気がしてなりません。
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